冬の日の窓辺で頬杖をつく女性

【彼女の鬱を本気で治す】鬱治療体験談をブログに書いていこうと思う。

まず初めに断っておきますが、僕は精神科医でも心理カウンセラーでもない一般ピーポーです。彼女と付き合い始めてから彼女が鬱であることが発覚し、紆余曲折あった後に「彼女の鬱を治したい」と本気で決意しました。ということでその過程である鬱治療体験談をブログに書いていこうと思います。

この記事が少しでも鬱で悩んでいる人、僕と同じように「パートナーが鬱でなんとかしてあげたい」って思ってる人の役に立てばいいな。ちなみに鬱のときパニック障害でよく併発する過呼吸については、以下の記事で実際に過呼吸が治った話を書いたのでよければどうぞ。

彼女が過呼吸持ちだったけど治ったよ。~過呼吸の治し方と対処法~

それでは以下、鬱の彼女と過ごした日々のお話。

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鬱の彼女と過ごす毎日

僕は器の小さい男だから本当に大変だった。鬱状態になった彼女は”彼女本人も思っていないようなこと”を度々口走ってしまう。そんな彼女が言うことを全部まともに受け取って、腹を立てたり反論していた時期は本当に毎日ケンカをしていた。

20代後半の僕と4つ年下の彼女は海外留学中に出会った。しばらくして付き合うことになり、その後家賃の安いシェアハウスで一緒に暮らすことに。シェアハウスには20人ほど日本人が住んでいて、大きな家ではあったけど家賃がかなり安い分部屋の作りはものすごく簡素。壁はベニヤ板のように薄く部屋は密集していた。

「なんで私生きてるんだろ、死にたい。」

そんな中夜寝る前に僕がパソコンを触っていると、彼女がベッドの上で勝手に色々と考え込む→ダークサイドへと落ちていくといういつもの流れで鬱になる。するといきなり「なんで私生きてるんだろ、死にたい。」なんて言い出す。

彼女の中ではものすごく考えた末に出たセリフなのかもしれないが、僕からしてみればパソコン触ってたら突然彼女が横で死にたいとか言い出すぶっ飛んだ状況。当然僕は彼女が死にたい理由も何も分からないので気持ちが追いつかず、最初は心配してたんだけどあまりにも毎日同じことを言うのでしまいには「はぁ…また始まった。」という心境になっていた。

そしてある日そんな彼女を見かねた僕は、何か気分を変えるきっかけになることはないかな?と考え、彼女がお腹減ったと言っていたので何か作ってあげることにした。彼女はダイエット中で(太ってないのに)時間も深夜ということもあり食べたがらないだろうとは思っていたけど、正直「お腹が減って気が立った彼女の相手をするのがしんどかった」「何か食べてもらわないと僕の方が辛かった」という部分も大きい。そしてとりあえず僕は得意料理であるオムレツを作った。すごくおいしいんだよ。

僕は部屋に戻って、綺麗にケチャップをかけたオムレツを「どうぞ。」と両手で彼女に見せた。すると彼女は、「こんなのいらない!ダイエット中だって言ってるのになんでこんなものもってくるの!?」と僕のオムレツを突っぱねた。当然と言えば当然なんだけど、せっかく彼女のために作ったオムレツを「こんなもの」なんて言われたことが予想以上にショックだった。普通に泣きそうになった。

そして僕はまたケンカになるのがイヤだったから、少し夜風に当たりに外に出ようとした。すると彼女は「なんで出て行こうとするの!?」とパニック状態になり、逆に僕を押しのけて裸足のまま外に飛び出していってしまった。すぐに追いかけて捕まえたが、暴れて連れ戻すのが大変だった。

部屋に戻ってきても彼女は泣き止まず、ずっと大声でわめいている。こんなにたくさん人が住んでるシェアハウスで、それも深夜に大声を出しているものだから、中にはさすがに苛立ち「ドンッ!」と壁を殴ったりして無言の抗議をしてくる人もいた。

そんな状況で僕もつい彼女に苛立ってしまい、「深夜なんだからそんな大声でわめいたら迷惑でしょ?なんでそんなことも分からないの…?」といったようなことを口走ってしまうと状況はさらに悪化。パニック状態の彼女はものに当たったりテーブルの上に置いてあったカミソリに手を伸ばそうとする。幸いリスカは未然に防いでいた。

だけどもう僕の我慢も限界を超えようとしていた。僕が寝ると彼女は家を飛び出して行ってしまうから眠たくても寝れない。大声で夜中にわめくから家の住人にも申し訳ない。言い争ってケンカするのも疲れる。彼女のことは好きだけどもう無理かもしれない。別れるなら早い方がいいんだろうな…。そんなことを考える毎日だった。

鬱のパートナーを持つ人の心労

鬱の人はもちろん辛い。だけどそのパートナーである人たちもなかなかに辛いものだ。

相手の言うことを全部聞いてあげなければいけない。わがままを全部許してあげなければいけない。頼まれたことは全て断っちゃいけない。文句を言われても言い返しちゃいけない。時には「これって奴隷みたいだな…」などと思うほどだ。そして自分のわがままは一切聞いてもらえない。

 

一度こんなことがあった。

彼女とバスに乗って出かけた日。その日は朝から彼女の機嫌が悪かった。僕が「ごめんね。」と何回謝っても許してくれない。その理由はきっと、僕が”朝起きるのが出かける時間ギリギリだったから”とかそんなことだろう。少し気に入らないことがあるとそのことについてずっと考えてしまい、途中で気持ちを切り替えることなんてできない。典型的な鬱の症状の一つだ。

だからこういうときは僕が上手く切り替えてあげなければいけないんだけど、そんなときに最悪のタイミングで僕は降りるバス停を間違えた。目的のバス停を一つ通り過ぎてしまったのだ。「あ、今のとこだった!ごめん!」と謝り、これ以上彼女の機嫌を損ねないよう彼女の気を紛らわせるように努力しながら、なんとか次のバス停で降りた。

そしてバス停一つ分の距離を歩いて戻ろうとした。するとどうしたことか彼女がその場から一歩も動かない。「どしたの?」と聞くと彼女は「歩きたくない。」と言う。つまりバス停一つ分の距離を「一区間だけ反対方向のバスに乗せろ」と言うのだ。バス停一つ分といっても大した距離ではなく、まっすぐな道だったからもう向こうが見えている。こんな距離でバスに乗るのは馬鹿馬鹿しい。だから僕は彼女をなだめながら、誤魔化しつつ反対方向に歩き始めるよう促した。だけど押しても引いても彼女は頑なに動こうとしなかった。そうこうしていると反対方向のバスがやってきて、通り過ぎてしまった。

「バスも行っちゃったし歩いたら数分だから、本当にすぐだから行こう?」と言っても聞かない。彼女の言い分はこうだ、「あなたのミスなんだからそれくらい当たり前でしょ?」。

ここまでわがままが過ぎると僕も耐えられなくなってきた。そして僕たちは人目もはばからずに往来のど真ん中で口論を始めた。

口論をしている最中、”鬱の人が言うことを真に受けて言い返しちゃいけない”というような言葉を思い出した。だけどひたすら好きに言われっぱなしで罵倒される。そんなのこっちが鬱になってしまう。何言われても言い返しちゃいけないなんて間違ってる。そんなにひたすら我慢してまで誰かと一緒にいる意味はないだろ。こっちの気持ちや言うことをちゃんと理解してくれる人じゃないと、この先も一緒にいることはできない…。

彼女だけじゃなく僕も一杯いっぱい。正直もう限界だった。

鬱という症状が少しだけ理解できた日

綺麗な星空

夜も安心して眠れない日が数ヶ月続いた。しかも鬱の症状というのは寝て起きたら忘れているようなものではない。例え夜に泣き疲れて眠りについたとしても朝起きたらその続きが100%待っている。鬱のせいで休日が丸一日潰れることなんてザラだったし、彼女はバイトを無断欠勤する日もあった。それは大人としてどうなんだろうと思ったりもしたけど、これも鬱になるとどうしようもないらしい。

僕はメンタルが強い方なので、鬱なんて正直ただの言い訳だと思っていた。ただ心が弱いだけ、根性がないだけ、そんなの気持ちだけで乗り切れる。バリバリ体育会系の筋肉思考だ。だから彼女の鬱が最初は全く理解できなかった。

夏の夜の話

そんなある日のこと。いつものように夜寝る頃になって彼女の鬱が発動する。だけどこの日は何か違った。彼女がいつもよりおとなしかった。

彼女も毎晩周りの住人や僕に迷惑をかけていることを頭では理解している。だから彼女なりになんとかしたいとは思っていたんだと思う。この日は暴れることはなく、ただ「…外に出たい。」とだけ言った。もちろん深夜に外に出るのは危ないからと止めたが、遠くに行かないから、家の前でいいから。ということだったので少しだけ一緒に外に出ることにした。といってもこっちはものすごく眠いのに付き合わされるストレスで正直イライラしていた。

夏だったので外に出ると冷えた夜風が心地よく、星が綺麗に見えた。それで僕もちょっとだけ頭が冷えた気がした。彼女が僕の数歩前を歩き、玄関から少し離れた位置で立ち止まって、ゆっくりとしゃがみこんだあと、しばらくしてから空を見上げた。そして僕の方は見ずに、無理やり言葉を絞り出すように「…星、綺麗だね」と言った。

後から考えてみれば、この一言は彼女なりにすごく努力をして言ったポジティブな言葉だったんだろう。鬱のどうにもならない不安、周りの人に迷惑をかけている自分を責めて「自分なんていなくなってしまった方がいいのかな?」という気持ち。前向きに考えることなんてできないけど、なんとかして何かを変えようと一人きりで頑張っていたのかもしれない。

だけどその時、そんな彼女を後ろから立って見ていた僕は何も答えなかった。彼女がそうやって小さく頑張ろうとしていることなんかよりも、疲れていて眠いのに深夜に外に連れ出されメンヘラ彼女のセンチメンタルシーンに嫌々付き合わされていると思っていたからだ。「こんな厨二ドラマいらないから早く戻って寝かせてくれ…」みたいなことしか考えることができなかった。だけどケンカになるのも面倒だから何も言わずにイライラしながら黙っている。僕はこの時かなり余裕がなくなっていた。

そんな返事のない僕に不安になったのか、しばらくして彼女はもう一度「ねえ、星、綺麗だね…」と、泣きそうな弱々しい声で言った。

その彼女の泣きそうな2回目の声を聞いたとき、今まですごくイライラしてたのに不思議と彼女の声が素直に聞こえた。彼女はただ寄り添って2人で「星綺麗だね」みたいな会話がしたいのかな?とふと思った。気づけば毎晩ケンカばっかりで言い争うのが当たり前になっていたけど、そうじゃなくて。

ここで初めて僕は少し、「今まで彼女に悪いことをしていたな…一緒にいて助けてあげなきゃいけないのに、逆に傷つけてばっかりだったかもしれない」と思った。僕が100悪いとは思わないけど、僕にも確実に悪いところがあった。だけど僕が今まで苦労してきたことには変わりなく、今だって早く寝たいのにこんな時間に彼女の鬱に付き合わされている。そんな気持ちもあり、モヤモヤした心の中を上手く整理できなかった。

そんなモヤモヤを抱えたままだったけど、僕はゆっくりと歩いて彼女に近づいていって、隣に座って空を見ながら”出会ったばかりのときはこうやって夜に公園とかで会ったりしたな”とか、”久しぶりに二人で横に並んで星を見たな”とか、そんなことを思い出しながら一言だけ、「…星綺麗だね。」と声をかけた。

それから数秒間を空けて、彼女は声を出さずにうつむいて静かに泣きはじめた。その後僕の肩に寄りかかりながら「ごめんね…ごめんね…!」と泣きじゃくりながら何度も僕に謝った。

その後

それから彼女が少しだけ前よりも元気になった気がした。夜も鬱にならずに寝てくれる日が増えた。それでもまだまだ僕は罵倒を浴びせられることもあるし、やっぱり深夜にわめくこともあり、何回も「もうこっちのストレスがやばい限界だ…」と感じて本当に別れ話だってしたけど、結局別れずその後も普通に一緒に暮らした。拍子抜けする話かもしれないけどそういうことってよくあるよね。笑

それから僕達は日本に帰国して、結婚した。

鬱のパートナーと一生暮らしていくことが僕にできるのかは分からなかった。覚悟もしたつもりだけど、それもまた揺らぐかもしれない。というかここまでのことを読み返してみると「とんでもない女だ、どこがいいの?」と思われるかもしれないが、鬱状態じゃないときは本当にかわいらしくて素直で元気で、魅力的なところの方が圧倒的に多いからこそずっと一緒に暮らしてこれた。

そうこうして結婚から1年を過ぎた頃、彼女(奥さんになったけど)が鬱になることがほとんどなくなった。またまた拍子抜けしたかもしれないけど、今ではあのときの苦労が嘘のように平和な毎日を送っている。もちろん完璧に鬱が改善したわけじゃなく、未だ闇に落ちる前兆は垣間見える。だけどそれを僕が未然に防ぐことができるようになってからは彼女は鬱にならずに済むようになった。

今だって突然暗いことを言い出すときはある。ただその時点で抱きしめてあげたり優しい言葉をかけてあげたり、楽しい未来が想像できることを言ってあげる。「来週どこどこにおでかけ楽しみだね」とか「なになに食べるの楽しみだね」とか。その魅力が低ければどんどん暗いところへ行ってしまうんだけど笑、少しでも光が差す何かを提案して、ちょっとでも興味を持ったら考える隙を与えないように優しい言葉や態度で安心させてあげる。僕がそうやって対応できるように成長してからは大きな喧嘩をすることもほぼなくなった。

考えや性格を変えるのはすごく大変なこと

雲の間から差す光

そうやって鬱にならなくなったのは僕の努力もあるが、それだけじゃやっぱりダメだった。そこには彼女の努力も確実に影響している。例えば鬱の症状が出始めたときに優しくしてあげたとしても、本人がそれすら聞き入れないような状況ではどうしようもない。こうして鬱にならずに済んでいるということは、彼女なりにできるだけ明るい考えを持とうとしてくれているということ。

本人が前向きに考えようとする。パートナーがをれを引っ張る。この2点が揃って初めて鬱の症状は改善するんだと思う。

今ならはっきり言えるが、鬱を治す上でまず先に変わらなければいけないのは僕、つまり”パートナー側の人間”だ。そしてその努力を押し付けるのではなく、余裕を持って接することができるようになることがパートナーに求められることだと思う。あとはゆっくり話し合ったり、焦らず、急かさず、責めずに優しく見守ってあげる。

鬱は本人が変わらなければ治らない。パートナーは見守ることしかできない。

いつかネットで見たこの言葉は正しいのかもしれない。確かに彼女が変わろうとしなければ彼女は一生鬱のままだろう。だけど僕が変わらないと彼女は変われない。鬱が自分で立ち直れるような症状だったら皆ほっとけばいい。そうじゃないからこんなにもたくさんの人が鬱という症状で悩んでいるんだろう。

鬱になってしまった人のパートナーや家族は大変で、普段通り接していればいいというだけの話じゃなく多少なり考え方や性格を変える必要がある。もちろん自分の考えや性格を変えるというのは決して簡単なことじゃない。だけど一つ覚えておかなければいけないことは、普通の状態の人でさえ難しい”性格や考えを変える”ということを、僕らは鬱で苦しんでいる人に求めているということだ。パートナーはそれをしっかりと自覚して、相手よりも自分が積極的に変わる意識を持つことで初めて相手の鬱を治すことができるのかもしれない。

長くなりましたが、この記事を見てひとりでもいい方向に改善したよという人がいれば幸いです。以上、彼女の鬱を本気で治す鬱治療体験談でした、最後までお読みいただきありがとうございました。

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コメント (2)
  1. 事故と同じでかなり高い確率で誰もが、
    健康だった人でも精神病になりますよね

    生まれながらの知的な障害と違う訳で
    身体の不自由、目の失明、心の障害。

    いつなるか分かりませんからね。それを分かって一部の者は叩いてるかどうか…
    心の障害だって暗いとか自虐的だけで無く、攻撃的な方もいますよね~

    下手言うと社会適応不可の1つの障害と思います。家庭に問題があって不良になったのも精神上の問題であるとも言えます

    皆が1つは病気ですから。馴染めないのも病気、気にいらないからも病気、個性を受け入れられないのは人間の欠点ですし

    1. モナカさんこんにちは、ブログを読んでいただいた上にコメントまでしてくださってどうもありがとうございますm(__)m

      確かに鬱による症状を病気と呼ぶのであれば、それぞれの人が持つこだわりや個性、性格的な何かも病気ということになりますよね。
      だからこそ鬱という病気が「ただ甘えているだけ」というように見えてしまうこともあるんだと思います。でもその境界って目に見えるものではないので難しいですよね…。

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